自分の病気と付き合っていく上で、決められた時間にお薬を飲み忘れてしまったという経験はありませんか?
そのような不測の事態にも慌てないために、お薬を飲み忘れた時の基本的な対処法を解説します。
まず、何故お薬の回数や時間が決められているかについて説明します。お薬によっては1日1回のお薬もあれば、1日3回のお薬もあります。また、食後に服用するお薬もあれば、食前に服用するお薬もあります。なぜだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
服用回数については、基本的に「血液中のお薬の濃度」と「効果持続時間」のバランスによって決められています。
お薬の成分は、体の中で吸収されると血液中を流れ、次第に代謝、排泄され効力を失っていきます。
お薬の効果を最大限に発揮する為には、血中の薬の濃度が一定以上に保たれなければなりません。少なすぎると効果がでませんし、高くなりすぎると副作用が生じます。
体内で、お薬の量が半分になるまでの時間のことを「半減期」といいます。一般的に半減期が短いと、お薬の効果持続時間は短く、逆に半減期が長いと、お薬の効果持続時間は長くなります。
お薬の効果を最大限に発揮できるように、血中のお薬の濃度を一定以上に保てるように、お薬の効果持続時間を考慮し服用回数は決められています。お薬によっては、量の調節に非常に慎重にならなければいけないものもあります。
服用のタイミングは、「お薬の吸収の特性」や「副作用のリスク」などによって決められます。
例えば、空腹時に服用すると胃に負担をかけるようなお薬の場合は、胃の中に食べ物が入っていたほうが胃への負担を軽減できるために食後に服用します。
また、空腹時に服用したほうがお薬の吸収が良いものは、起床時や食前に服用します。糖尿病のお薬の場合には、副作用である低血糖の心配などから、食事の直前に服用が指示されているものがあります。
ただ、お薬によっては、食事の影響を受けずにいつ飲んでも良いものもあります。その場合は、飲み忘れを防ぐために、目安として食後となっていることが多々あります。「1日3回6時間おきに飲んでください」と言われても、時間を気にすることは難しく、飲み忘れを招いてしまうため、「食後」と指定しているのです。
服用回数と服用のタイミングは、お薬の効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小限にとどめることができるように設定されています。万が一、お薬を飲み忘れてしまった場合の対処法を解説します。
お薬を飲み忘れたことにすぐ気付いた場合は、気付いた時点で飲むようにしましょう。胃に負担がかかるようなお薬の場合は、何か口にいれてから服用するようにします。服用した場合には、次に服用するまでの間隔を調整して、服用します。
間隔の目安
①1日3回服用のお薬→4時間以上の間隔
②1日2回服用のお薬→6時間以上の間隔
③1日1回服用のお薬→8時間以上の間隔
飲み忘れたことに気付いたのが次回に飲む時間に近い場合は、その回の分を飲むことをあきらめて、次回のタイミングで飲むようにして下さい。
週1回や月1回服用するお薬として代表的なものに、起床時に服用する骨粗しょう症のお薬があります。
基本的には、週1回、月1回のお薬の飲み忘れに気付いた場合には、翌日の起床時にお飲み下さい。次回は、決められた日どおりに服用しましょう。
次回服用までの日が迫っている場合には、お薬によっても対処が異なる場合もあるため、医師、薬剤師に相談するようにしましょう。
どんなお薬においても、前回分を飲み忘れたからといって、1度に2回分のお薬を服用してはいけません。2回分を服用したからといって効果が期待できるわけではなく、副作用の症状が出る可能性が高くなり、危険です。
説明した対処法はあくまでも一般的な対処法で、例外のお薬もあります。特に注意が必要なのは、お薬の服用のタイミングが食前・食後など理由があって定められているものです。
例えば、糖尿病のお薬は、食事の直前と定められているお薬を飲み忘れたからといって食後に飲んでしまったりすると、低血糖症状などを起こしてしまう可能性があります。
また、飲み忘れてしまったことによって、症状が悪化したり、身体に支障を来してしまう可能性があるお薬もあります。
飲み忘れが予想されるような場合には、事前に医師や薬剤師に相談しておくことが大切です。また、万が一、お薬を飲み忘れて、どうしたら良いか不安になってしまった場合には、すぐに相談することをおすすめします。
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決められた時間に決められた量を服薬できる環境を作り、飲み忘れや過量服薬の防止の支援に役立ちます。
また、インターネットを利用した服薬状況の情報共有により、ご利用者とご家族、介護・医療職の連携がスムーズになります。
お薬を飲み忘れた時の基本的な対処法について参考になりましたでしょうか?
お薬の服用回数や服用のタイミングは、効果を最大限に、副作用のリスクを最小限にできるように設定されており、本来は指示どおりに服用することが大切になります。
万が一、お薬を飲み忘れてしまった場合には、今回の記事を参考にしてみてください。
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