認知症の方が飲む薬は、進行を遅らせたり、精神を安定させたりする目的で処方されることが多いです。しかし、「効果があるのか?」と不安な方もいらっしゃるでしょう。そこで、認知症の薬を服用する目的や、効果や副作用などのお悩みについて解説します。
認知症の方のなかには、進行を遅らせる薬を服用している方もみえます。
しかし、症状が緩和していないのを見ると「効果があるのか」「何のために飲んでいるのか」と疑問に思うことでしょう。
特に、大量の薬を服用していると「正しく飲めるか」「内蔵への負担はないか」など、さまざまな不安が出てくるかと思います。
そんな不安を解消するため、この記事では認知症の薬を飲む目的や、効果や副作用などに関する疑問にお答えします。
また、「薬が合っていないかも?」と思った時の対処法も説明するため、不安な方はぜひ参考にしてください。
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認知症の薬は、進行を遅らせたり、精神を安定させたりする目的で処方されます。
現在は、脳の神経細胞の再生・神経細胞が死ぬのを防ぐ薬はまだ見つかっていません。
したがって、認知症の進行を遅らせる薬や興奮や、イライラを抑える薬が処方されています。
医師の診断で処方されている薬を、勝手な判断でやめてしまうのはおすすめしません。
服薬を途中でやめると、薬の効果が得られないことがあります。
ただし、医師の指示があれば中断しても構いません。
症状の進行や、今後の方針を医師に任せるという事であれば、医師の指示に従いましょう。
持病をお持ちの方は、薬の量がさらに増えるため、きちんと飲むことが難しいかもしれません。
時間によって飲む薬の種類が異なっていれば、認知症でない方でも飲み間違えることがあります。
そのようなお悩みがあれば、こちらの記事「薬の飲み忘れ・飲み過ぎ防止のアイデア7選!」を参考にしてください。
うまく活用できれば、服薬介助の負担が減らせるでしょう。
薬の副作用により、イライラや興奮などマイナスの影響が出てくることもあります。
そのようなときは、担当医師か薬剤師に相談してみましょう。
訪問看護を利用していれば、訪問した薬剤師が薬の飲み合わせ状況などを確認してくれます。
また、「症状が改善されていないから」などの理由で「薬を変えてもらうように言おう」というのは早計です。
現在、日本で認可が下りている認知症の薬は4種類のみであるほか、これらの薬は「認知症を治す」効果は期待できません。
認知症の薬は「進行を遅らせる」などの目的で投与されます。
なかなか効果がわかりづらいかもしれませんが、認知機能が以前と変わらないのであれば、効果が出ていると考えてもよいでしょう。
認知症の薬の効果があるかどうかは、体質や相性などによって左右されます。
その上、不整脈などの心臓疾患・心臓病を患っていたり、腎臓が悪かったりすれば、使用不可もしくは慎重に投与する必要があります。
そして、認知症の薬はあくまで進行を遅らせることが目的です。
薬を飲むことにより脳細胞が増えるわけではないため、認知機能が向上することはないでしょう。
2021年6月には、アメリカの製薬会社と日本のエーザイが共同で開発したアルツハイマー病の新薬がFDAに承認されました。
アルツハイマー型認知症の進行を抑える効果があるようですが、脳の神経細胞が壊れていくこと自体は止められないようです。
参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210608/k10013072991000.html
和歌山県立医科大学附属病院の医師によると、基本的に認知症の薬には、ひどい副作用は少ないと考えてよいとのことです。
副作用はごく少数の方に、体質に合わないことが原因で現れることがあります。
もし消化器症状や精神症状などの副作用が出れば、服薬を中止すれば元に戻るので、過度の心配はいらないと言われています。
副作用などの問題がなければ服用をおすすめしますが、本人や家族の意向によって飲まないという選択も可能です。
もしも病気が進行して寝たきり状態になり、本人の反応が乏しくなった場合は、医師に投薬をやめられないか聞いてみましょう。
インターネットなどで、健康食品が認知症に効くと宣伝されているものもあります。
認知症に対して、医学的に効果が証明されているものもあるようですが、効果や安全性がはっきりしないものはおすすめしません。
なにより、予想外の副作用が出ると心配です。
もし医師が処方する薬以外に試したい薬や食品があれば、自己責任となります。
リスクを避けるためにも、医学的に効果が証明されていない薬や健康食品の摂取はおすすめできません。
認知症の薬を飲む目的や、効果・副作用に関する不安について解説しました。
「薬の効果」と聞くと、病気やケガが完治するイメージがありますが、認知症の薬はそうではありません。
認知症の薬を飲むのは、進行を遅らせたり、精神的に安定させたりすることが目的です。
しかし、素人の目で見て「進行が抑制できている」とは判断がつきません。
認知機能は低下したままのため、「この薬を飲んでいる意味はあるのだろうか」と思ってしまうこともあるでしょう。
また、持病があって複数の薬を飲んでいれば、飲み忘れてしまうこともあります。
そうすると、薬の効果や体との相性が確認できません。
なるべく進行を遅らせるためにも、薬はきちんと飲みましょう。
薬の管理が難しいときは、「やさしい手」の「eお薬さん」の利用がおすすめです。
「あさ・ひる・よる・ねるまえ」の4回に分けてタイマーを設定できるほか、決まった時間になれば声掛けと共に、お薬ケースが出てきます。
一度に複数のお薬ケースが押し出されることもなく、薬の飲み過ぎも防止可能です。
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月額使用料:4,950円
そのほか、付属のUSBドングルを接続すると、登録した方(最大5人)にメールで知らせます。
仕事が忙しかったり、遠方に住んでいたりして服薬を管理できない状態でも、薬を飲んだか確認できるためおすすめです。
服薬管理ができず、薬の効果が感じられないとお困りであれば、「eお薬さん」を活用してみてはいかがでしょうか?